社会と科学知識
哲学的、社会学的な科学論は、特に理科や世の中一般についての経験が少ない少年少女にとって知的には少し荷が重いものです。
大学レベルになっても、理科系学生の少数が関心を持っただけです。
15~16歳の生徒の大多数にとって、より魅力的とは言えないまでも、より理解しやすいものに出来ないのでしょうか。
大人にとっても、社会のかかえる諸問題からのアプローチは、分かりやすくて興味深く思われます。
しかしこれはほとんどのローティ1ンが全く持ってはいないかなりの社会的関心と、「政治的」成熟度を前提にします。
STS教育に対するこのアプローチの最も優れた点は、子供たちにこの問題に対する関心を植え付け、さらに将来の発展のための最良の手がかりを与える事でしょう。
ただし理科教育をこの方向に向け直すという考えは、子供の知的、情緒的発育段階を考えると、少しせっかちだと言えるでしょう。
しかしながら、この人間形成期に、科学教育を学際的な方向に向けることにとって多くのことがなしとげられます。
科学知識をその社会関係に即して記述し、科学は、役に立たない知識や神秘的な理論の寄せ集めでもなければ、結果はともかく、物事をつくりだしてしまうような魔法の箱でもない事を説明する機会が与えられます。