社会と科学知識

哲学的、社会学的な科学論は、特に理科や世の中一般についての経験が少ない少年少女にとって知的には少し荷が重いものです。


大学レベルになっても、理科系学生の少数が関心を持っただけです。


15~16歳の生徒の大多数にとって、より魅力的とは言えないまでも、より理解しやすいものに出来ないのでしょうか。


大人にとっても、社会のかかえる諸問題からのアプローチは、分かりやすくて興味深く思われます。


しかしこれはほとんどのローティ1ンが全く持ってはいないかなりの社会的関心と、「政治的」成熟度を前提にします。


STS教育に対するこのアプローチの最も優れた点は、子供たちにこの問題に対する関心を植え付け、さらに将来の発展のための最良の手がかりを与える事でしょう。


ただし理科教育をこの方向に向け直すという考えは、子供の知的、情緒的発育段階を考えると、少しせっかちだと言えるでしょう。


しかしながら、この人間形成期に、科学教育を学際的な方向に向けることにとって多くのことがなしとげられます。


科学知識をその社会関係に即して記述し、科学は、役に立たない知識や神秘的な理論の寄せ集めでもなければ、結果はともかく、物事をつくりだしてしまうような魔法の箱でもない事を説明する機会が与えられます。

『北見の海岸』

沖合はガスにうもれている


渚はびつしよりに濡れている


その濡れた渚に黒い人かげが動いている


黒い人かげは手網をさげている


黒い人かげは手網をあげて乏しい獲物を


たずねている


黒い人かげは誰だろう


黒い人かげはどこから来ただろう

・・・これは、『北見の海岸』という中野重治の詩の一節です。


それは北海道のサルフツ海岸を歌ったようです。


古い伝説にも、ここに異様な人影が現われるともあります。


いつか晩秋の冷雨の降るサルフツ海岸を通ったとき、何かに驚いて飛びたった野鴨と白鳥が、石版色の空を舞っていたことがあります。


しかし、今札幌ツアーのついでに行ってみてもそこがどこであったか、もう探しようがないほど、あたりはすっかり草地改良されています。


のんびり乳牛が草をはんでいて、道傍には「牛に気をつけて下さい」とドライバーに頼む立看板が立っているほど。


この辺の酪農家は根釧原野より大仕掛けで、経営面積は大抵一戸100ヘクタールで、搾乳や処理はすべて電化されていますが、一軒に必ずといっていいほど野狐の一家族が同居しているのです。

説得のための表現力 8

どんな条件と力を必要とするのか、この複雑な計算に大活躍したのがコンピュータであったのです。


だからオペレーションズ・リサーチとは、自分のペースで自らが有利になるための条件と力をさぐることで、単なる調査や計算ではありません。


「オペレーションとは、他人を自らのペースにするためのチエと工夫である」といったのはこのためです。


くれぐれも「感チガイ」しないようにしましょう。


力を外に向かわせるためには、内部がガタガタしていては外部へはいきません。


そのために内部を束ねることが必要になります。


これがマネージメントです。


個人の家庭の場合なら、女房、子供を中心として一家の中を束ねるのがマネージメントであり、隣近所つき合いその他がオペレーションの世界になります。


ビジネスでいえぽ社員や部下のご機嫌をとりながら、出入業者をいじめているのがこの二つの世界の混同または感チガイの典型となるでしょう。


日本の企業に共通する弱点は、この二つの世界の逆転です。

説得のための表現力 7

日本の企業がセールスマンのテクニック教育に熱心なのは、戦略不在、戦術一本やりの何よりの証拠といえるでしょう。


日本のセールスマン教育の姿こそ、戦略不在のアガキなのです。


レマルクの名著『西部戦線異状なし』は戦略不在、戦術の悲劇を描いています。


セールスマンが日夜奮闘し、倒産すれば、まったくこの名著と同様の世界が出てくるでしょう。


外部との関係で大切なことは、どんな場合でも、自分のベースで相手を動かすことができるかどうかです。


世の中でもっとも自分のべースにならない存在は、自分の"敵"です。


敵を自分のペースにもち込むためのチエが、いわゆる戦略です。


よくオペレーションズ・リサーチということが言われます。


これをコンピュータを使うことだと理解している人がいますが、そうではないのです。


オペレーションズ・リサーチがこの世に登場したのは、第二次世界大戦におけるノルマンディ上陸作戦だといいます。


ロンメルの待ちかまえるヨーロッパに、なんとしても連合軍のベースで上陸することが勝利を得るためのカギであったためです。

説得のための表現力 6

狩りでいうと狙う獲物の習性を学びとり、その習性の最大の弱点にワナを仕掛けるのが戦略です。


狙う獲物を野越え山越え追いかけて仕留めるのが戦術です。


このためにこそ、孫子は「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と言ったのです。


敵を知らない限りワナは仕掛けられないし、自分を知らないと相手の仕掛けたワナは見抜けないのです。


日本では、「ライバル社がどう動くかが問題だ」といって様子をみているケースが多いです。


これはナンセンス!!


ライバル会社が動く、動かないではありません。


その問題の決定権をもった男がどう動くかです。


ソ連もアメリカも動かない。


問題は、ゴルバチョフが、レーガンがどう動くかなのです。


目の前にいるのは実存的なドロドロした人間です。


心理学的アプローチを忘れた戦略論では計画立案のテクニシャンになってしまいます。


リーダーの有能・無能の判断の基準は戦略が立てられる能力の有無です。

説得のための表現力 5

戦略と戦術についての定義や捉え方は実に雑多であり、バラバラです。


戦略とは長期にわたる計画・大きな計画、逆に戦術とは短期の計画・小さな計画という捉え方は、そうしたなかでも、もっともまずいものです。


ゼネラルスタッフは、長期計画イコール戦略と大真面目に信じているものですから、平気な顔をして、大威張りというナンセンスがまかり通ります。


では、中期計画とはなんでしょう?


綿密な計画をたて、組み上げることが戦略なら、国鉄の時刻表を編む人は戦略家ということになるのでしょうか?と、私は問いたいです。


諸葛孔明や孫子に代表される戦略とは、むしろ心理学というべきものなのです。


目指す敵の総大将、当面する敵の大将の人間性を見抜き、その微妙な心理をつき、ワナを仕掛けることで相手を制する性格が強いのです。

説得のための表現力 4

マーケティングというものの意味の限定なくして、「これからはマーケティングがカギ」と言っても、相手によっては、市場調査が重要、販売店のケツ叩き、広告重視、新製品の開発その他バラバラに捉えかねないのです。


この自分なりの解釈のことがいわゆる感チガイです。


余程、しっかりしていないと、言葉と実体がズレてしまい、言葉の暴走が始まるものです。


この概念規定をしっかりすることがコミュニケーションや指示するとき、もっとも大切なことです。


でないと「ハイ、わかりました」と言いながら、勝手解釈して、とんでもないことを本人は大真面目にやってしまうのです。


こんなことでは中小企業はあえぎ倒産し、大企業は組織が弱体化し人間はダメになり、日本は国際的に孤立します。


この現実を打破するには、経営において、取引相手(ビジネス)に対して、部下に対して、それぞれのンベルに応じて言葉を洗い直し、それを武器にすることです。


言葉を知るということは、認識を新たにし人間が変わる大きな可能性を秘めているのです。

説得のための表現力 3

しかし、言葉を知ることだけでは不充分です。


なぜなら、言葉には現実的な意味があり、言葉の意味に対して、人は自らの体験と立場によって解釈してしまうからです。


このため、同じ言葉を使いながら、受け手の人は自分なりに勝手解釈してしまうのです。


ましてや話し手のほうが勝手解釈して使っていてはどうしようもないです。


反戦運動が現実的輪の広がりに限界があるのは「戦争反対」ということは確かなことではあっても、焼夷弾に追われた世代はその意味で捉え、学童疎開でひもじい思いをした世代はその意味で。


南方でトカゲまで食べたジャングル生活の体験者はその意味で。


原爆のピカドンの体験者はその意味で、各人それぞれに受けとめてしまっているためといえます。


戦争反対という点では一致していても、具体的運動や活動という点でバラバラになってしまうのです。


言葉は受け手の立場、レベル、体験によって受けとめられるのです。


この混同を防ぐためにあるのが、言葉や用語の概念規定です。


つまり「あの言葉の意味は、こういう意味であるぞ」という意味の限定です。

説得のための表現力 2

なぜ表現力が必要なのか。


スペースコレクション経済研究所によると、それは、人を自分のペースにするためには、相手を気分よくさせることが何よりの条件だからです。


相手の気分を悪くしておいて、どんな良いことを言っても、話はこじれます。


感チガイをなくし、表現力を強くするためには、ま炉、言葉をすこしでも多く知ることです。


これは、ただ単に単語のボキャブラリーを増やせと言っているのではありません。


言葉のウラにくっついている認識を自覚し、ある時は改めることです。


大きく言えば世界観を変えることです。


技術者は専門書はたくさん読んで、知識は身につけていても、表現力は今一歩の人が多いです。


経営者だからといって、経営学の本ばかり読んでいては技術屋と同じことになりかねないでしょう。


「人をみて法を説け」といわれるように、表現力とは相手にジャストミートすることです。


子供に、大人にしかわからないような表現でどれだけ話しても無駄なのです。

説得のための表現力

全体から部分を正しく捉える力と判断力をもつだけでは、トップとして充分ではありません。


この二つをもっていればいるほど、欠かせない力が表現力の豊かさです。


なぜなら、せっかく、ランクづけができても、他人を動かすことが仕事であるトップや上級幹部は、部下や他人を説得し、相手を納得させることができなければ、的確な判断もなんの意味も持ってこないからです。


スペースコレクション協議会によると、他人を説得し、納得させるためには、いろいろな力が必要ですが、まず重要なのは表現力です。


この点、日本人リーダーは全般に表現力が弱いといえます。


テーブルを叩いてゲキをとばすとか、ハッパをかけるか、どなるかです。


表現一つで険悪になるか、ならないかが決まることももっと知るべきでしょう。

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