社会と科学知識 6
STS教育が自己を確立するためには、科学技術システムの中で、あるいはそれと平行してその補足的役割を示さなければなりません。
このため、Aレベル、あるいはそれ以後の通常科学教育の完全な改草を強調するだけでは、STS教育の目標を達成することは出来ないでしょう。
真に求められているのは、STSのテ!マに限定された、明確な学習課程です。
・・・では、高校高学年「理科系学問」向きのこの種のコースには、どのアプローチを取るべきでしょうか?
職業的アプローチには大きな説得力はありません。
確かにこの方法で教育された生徒は、勉強を始めた頃に比べて、よりはっきりと理科的な職業に関心を持つでしょう。
・・・この段階で、いろいろな全く特定の職業に直結する科目を選ぶことが出来るでしょう。
しかし、これらの科目の多くは、後のより職業的な教育に対する準備として教えられます。
そして後の教育においてこそ、STS教育の職業的な面が強調されなければなりません。
つまり、医学およびそれに関連する職業の倫理的ジレンマと社会的役割を学ぶ場所は、学生がこの仕事の現実面にもっとも近付く医学部においてです。
どのみち正式の教育を18~19歳で終える技術者教育にとっては、職業的アプローチの視野は余りにも狭いようです。